むし歯は、放置するとどんどん進行してしまう疾患です。初期段階では痛みを感じないことが多く、気づかないうちに深く進行してしまうことがあります。しかし、むし歯が進行すると、痛みが強くなり、最悪の場合、歯を失う原因となります。
早期発見・早期治療を行うことで、痛みや不快感を軽減し、あなたの大切な天然の歯を長く健康に保つことができます。定期的な検診や適切なケアを心がけ、むし歯の予防と早期対応を徹底することが、歯の健康を守るための最善の方法です。

むし歯の主な症状
  • 歯に穴が開いている
  • 歯の一部が茶色または黒くなっている
  • 冷たいものがしみる
  • 温かいものがしみる
  • 噛むと痛みがある
  • 詰め物・被せ物が取れた など…

むし歯は、口内に存在するミュータンス菌が食べ物に含まれる糖分を分解して酸を生成し、その酸が歯を溶かすことで進行します。むし歯が進むと、歯の表面のエナメル質、さらに内部の象牙質が侵され、やがて歯の神経に到達することもあります。
早期発見と治療が、むし歯の進行を抑え、天然の歯を守るために非常に重要です。

むし歯の進行状況
C1:エナメル質のむし歯
むし歯が初期の段階では、歯が白く濁ったように見え、自分で気づくことが難しいことがあります。痛みを感じることはほとんどありませんが、放置すると進行するため、定期的な歯科検診が推奨されます。
C2:象牙質にまで進行したむし歯
エナメル質が侵された後、象牙質にまでむし歯が進行します。象牙質は酸に弱く、進行が早まります。しみや痛みを感じやすく、多くの方がこの段階でむし歯に気づきます。早期治療を行わないと、削る範囲が広がり、天然歯の寿命を縮めることになります。
C3:歯の神経に達するむし歯
むし歯が歯の神経まで到達すると、激しい痛みが生じます。この状態では神経を抜く治療が必要で、通院回数も増えます。神経を抜いた歯は弱くなり、割れやすく変色することもあります。
C4:歯全体が侵されるむし歯
むし歯が進行し、歯が崩壊してしまった場合、ブリッジや入れ歯、インプラントなどの治療が必要になります。むし歯の進行が進むほど治療回数や費用がかかるため、早期治療が重要です。

むし歯の治療方法
小さなむし歯の場合:詰め物(インレー)
むし歯を削り、接着剤を使って詰め物をします。詰め物にはプラスチックや金属、セラミックなどの種類があり、保険適用のものとそうでないものがあります。
大きなむし歯の場合:かぶせ物(クラウン)
大きなむし歯は詰め物では対応できないため、かぶせ物で歯の形を補います。かぶせ物もさまざまな素材があり、治療費が異なります。
神経まで進行した場合:根管治療
むし歯が神経に達した場合は、神経を取り除き、根管を消毒して詰め物をします。治療回数が増えるため、早期治療が推奨されます。

むし歯の再発を防ぐために

一度治療したむし歯も、再度むし歯になる可能性があります。これを「二次う蝕(にじうしょく)」といい、詰め物やかぶせ物の中で進行します。削るほど歯が失われるため、定期健診でむし歯の再発を予防することが大切です。

むし歯Q&A
むし歯は必ず治療しなければなりませんか?

むし歯は自然に治ることはありません。放置すると進行し、痛みが出たり、最終的には歯を失う可能性があります。早期発見・早期治療が、歯を守るために非常に重要です。

むし歯の治療は痛いですか?

むし歯治療では、通常局所麻酔を使用するため、治療中の痛みを感じることはほとんどありません。麻酔が切れた後も、必要に応じて痛み止めを処方しますので、痛みが心配な方も安心して治療を受けていただけます。

治療には何回くらい通う必要がありますか?

むし歯の進行度によって治療回数は異なります。小さなむし歯の場合、1回の治療で完了することもありますが、進行したむし歯や神経の治療が必要な場合は、2~3回以上の通院が必要となることがあります。

むし歯の進行を予防するためにできることはありますか?

むし歯を予防するためには、日々の正しい歯磨きと定期的な歯科検診が重要です。フッ素配合の歯磨き粉を使用したり、歯科医院でのクリーニングを受けることも効果的です。また、糖分を控える食生活もむし歯予防に役立ちます。

むし歯を削るのが怖いのですが、痛みを少なくする方法はありますか?

当院では、痛みや不安を軽減するために麻酔を使用します。また、必要に応じて鎮静方法を検討し、患者さまの不安を取り除くために最大限の配慮をいたします。治療が怖いと感じる場合は、遠慮なくご相談ください。

むし歯が大きくなるとどうなりますか?

むし歯が進行すると、歯の神経に達して激しい痛みを引き起こすことがあります。さらに進行すると、歯を保存できず、抜歯が必要になることもあります。早期に治療することで、歯の削る量を最小限に抑え、天然の歯を守ることが可能です。

治療後、同じ歯が再びむし歯になることはありますか?

一度治療した歯でも、再度むし歯になることはあります。これを「二次う蝕」と呼びます。再発防止のためには、適切なセルフケアと定期的な歯科検診が大切です。

詰め物やかぶせ物の種類について教えてください。

むし歯の大きさや治療部位に応じて、プラスチック、金属、セラミックなど、さまざまな詰め物やかぶせ物を使用します。保険適用の材料と、見た目や耐久性に優れた自由診療の材料がありますので、ご希望やご予算に応じてお選びいただけます。